色覚異常とは?
多くの人は、3種類の細胞で色を見ています。そのうち1種類がない、またははたらきが違うのが色覚異常です。色覚異常はめずらしいものではなく、ほとんどが遺伝によるもので、「白黒に見える」ことはまずありません。
3種類の錐体
目には、錐体と呼ばれる、色を感じる細胞が3種類あります。それぞれ、光のスペクトルの違う部分に最も敏感です。長い波長(L、よく「赤」の錐体と呼ばれます)、中くらいの波長(M、「緑」)、短い波長(S、「青」)です。脳はこれらを比べて色をつくります。
4種類目の細胞である杆体は、暗い光の中でものを見ます。杆体は色をまったく感じません。
曲線はそれぞれの最大値をそろえてあります。出典:錐体はStockman & Sharpe(2000)、杆体はCIE(1951)。
錐体がない場合と、ずれている場合
ない場合:強度
1種類の錐体がまったくはたらかないため、色の信号が3つではなく2つになります(2色覚)。いくつかの色の組み合わせが、まったく見分けられなくなります。
ずれている場合:軽度
3種類の錐体はすべてはたらきますが、1つが少しずれた色に反応します(異常3色覚)。同じ色の組み合わせが、見分けられないのではなく、見分けにくくなります。これが最も多いタイプです。
どの錐体か、何と呼ぶか、どのくらい多いか
| タイプ | 錐体 | 強度と軽度 | 頻度 | 混同しやすい色 |
|---|---|---|---|---|
| 1型色覚 「赤」のタイプ | L錐体(「赤」) | 1型2色覚 / 1型3色覚 | 日本人男性の約100人に1人 | 赤と濃い茶色。青緑と、灰色や一部の赤。赤が暗く見えることもあります。 |
| 2型色覚 「緑」のタイプ | M錐体(「緑」) | 2型2色覚 / 2型3色覚 | 最も多い:日本人男性の約25人に1人 | 赤、オレンジ、明るい茶色どうし。青緑と、灰色や紫。 |
| 3型色覚 「青黄」のタイプ | S錐体(「青」) | 3型2色覚 / 3型3色覚 | まれ:13,000人に1人から65,000人に1人 | 青と緑、黄色と紫。 |
| 色覚なし 1色覚 | はたらく錐体がない(杆体のみ) | 杆体1色覚(完全型) | 非常にまれ:約30,000人に1人 | すべての色。明るさだけで見分けます。明るい光をまぶしく感じてつらく、視力も低くなります。 |
1型色覚と2型色覚を合わせて、赤緑色覚異常と呼びます。ヨーロッパ系の人では男性の約8%、女性の約0.4%に、中国人と日本人の男性では4%から6.5%に見られます。
同じ色を、ほかの目で見ると
表示を切り替えて、どの色が同じに見えるようになるかを見てください。2型色覚では、赤、オレンジ、黄緑、茶色が近づき、青と紫も近づきます。
- 赤
- オレンジ
- 黄色
- 黄緑
- 緑
- 青緑
- 青
- 紫
- ピンク
- 茶色
- 灰色
表示中:正常
X染色体にのっている
「赤」と「緑」の錐体の遺伝子は、X染色体の上にあります。男性はX染色体を1本しか持たないため、変化した遺伝子が1つあるだけで色覚異常になります。女性は2本持つため、1本が変化していても、たいていはもう1本が補います。
日本では、女性の約10人に1人が、本人は色覚異常ではないものの、この変化を持っています(保因者)。約500人に1人は、本人が色覚異常です。色覚異常の男性の母親は、たいてい保因者です。
子どもは、母の2本のX染色体のうち1本をランダムに受け継ぎます。息子の半数が色覚異常に、娘の半数が保因者になります。
用語集
- 正常色覚
- 3種類の錐体がすべてはたらいている状態(3色覚)。
- 赤緑色覚異常
- 1型色覚と2型色覚を合わせた呼び方。石原色覚検査表は、これを見つけるための検査です。
- 強度/軽度
- 強度:1種類の錐体がない(2色覚)。軽度:錐体はあるが、ずれている(異常3色覚)。多くの人はその中間にあり、中等度と呼ばれます。
- 杆体のみ
- 杆体は、暗い所でものを見るための細胞です。色を感じず、オレンジや赤などの一部の色は、錐体で見るよりもずっと暗く見えます。
- 混同色
- ある色覚異常のタイプにとって、同じに見える色。検査表はこの色でできています。